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「アジアは重要」という考え方に、“落とし穴”はないのか

1月5日11時28分配信 Business Media 誠

 2010年度予算案が決まった。92兆円をやや超える過去最大の予算である。デフレと円高という景気の先行き不安の中で、政府主導による景気刺激を継続するという意図もあるだろう。しかしそれにしても日本という国の将来の姿を描くことはいまだにできていない。

 世界では、新興国(中国やインド)が V字回復、欧米はU字回復というところまでは何とか見通せそうだが、日本はU字になるのかW字(二番底)になるのか、それともL字(底這い)になるのか。現段階で少なくとも言えることは、当面の日本経済は決して明るくないということである。

●アジアと新しい関係を

 最近では急成長するアジア市場とともに成長するという議論が盛んに行われている。中国やインドをはじめ、アジアの潜在成長力は大きい。これからはインドネシアなどの人口の多い国がさらに成長力を強めてくることは間違いない。だからアジアの需要を日本の内需と考えるべきだと主張する人々がいる。民主党の成長戦略の中にも、アジアは含まれている。

 もちろんアジアを重要な市場として考えるのはその通りだと思う。しかし、その考え方に落とし穴はないのだろうか。輸出を悪者扱いするわけではないが、アジアと「ともに」成長していこうとするのなら、今までの輸出ではない新しい経済関係を築くのかということが重要になるはずだ。

 そうなった場合、第1に言えることは、アジアの市場を当てにするのなら、日本の市場もオープンにしなければならないということである。例えば農産物でもそうだろうし、人材という意味でもそうだと思う。

 経済協定で来日したインドネシアなどの看護師や介護師の候補。彼らを日本で実地訓練して、日本で資格を取ってもらうのだという。しかし、資格試験は日本語。そして「1回落ちたらもう帰国せよ」というのではハードルが高すぎないだろうか。例えばカナダでは同じように看護師資格を取るために来た外国人は、落ちても再挑戦することができるし、もし合格したら家族を呼び寄せることができるのだという。日本のように、再挑戦さえできず、合格しても家族を呼び寄せることができるという話など聞いたことがない。きつい言い方をすれば、外国人が日本に来て働くなどということを受け入れたくないという姿勢がありありと見えるような気がする。

 自らの国の市場は開かないが、外国にはどんどん物を売るというのが、これまでの日本の基本姿勢だった。その結果、巨額の外貨が蓄積されてきた。貿易立国、加工貿易の国であっても、別に巨額の貿易黒字が必要なわけではない。収支が均衡していれば十分なのである。しかし日本の政府は、国内市場を開くことより海外に物を売ることに熱心だった。その結果何が起こったか。海外からの日本への直接投資は先進国の中でも低い。米国の10分の1以下、フランスと比べても5分の1、英国と比べても4分の1だ。対GDP(国内総生産)比で5%というのが目標とされているが、まだまだそこには遠い。

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